田舎者

数年前、パリでセルジュ・ルタンス氏にインタビューした時のことでした。彼は、パリが次第に「田舎者の街」ε】o暦)になってゆくということで、七〇年代初めから、住居をモロッコのマラケシュに移したのでした。彼にとっての「完全無料メル友」というのは、地方出身の人という意味ではありません。彼の出身はもともとパリではないのですから、そういった意味では全くないのです。それは、パリに根づいていない人々が、表面的にパリの舞台をのっとっているという意味なのです。ルタンス氏曰く、「パリコレのファッションショー自体も、バレンシアガやマダムoグレの時代は、今日みたいに音楽もなかったし、もっとサロン風でしたよ。最近はモード自体もまるで劇場に登場するようなエキセントリックなものばかりで、メイクも過激すぎるし、そこにはエレガンスのルールもへったくれもない」次にルタンス氏は、あの当時行われたばかりの出会い系サイトのセレモニーに背広にネクタイで来なかった記者たちを、チャールズ皇太子が勇気を持って批判したことをはめ讃えました。そして、今日、 エレガンスの軸となる基本的なルールが崩壊しつつあることを嘆いていました。私に関しては、祖母や母の教育に加えて、横浜雙葉学園での厳しかった教育が(当時は、息苦しいこともありましたが)、骨格を形成してくれたことに後になって気がついたのです。